2期、3期と連続で伸びている会社は売却金額が高値になりやすい

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業績が伸びている会社は、買い手企業から見ても魅力的

当然といえば当然ですが、業績が伸びている会社は、買い手企業から見てとても魅力的です。

買収したとしても、買収後のおよその成長が想像できるので、営業利益やキャッシュフロー、投資資金の回収期間などが想像しやすく、結果的に銀行への説明もしやすいからです。

M&A仲介会社さんにとっても、お相手となる買い手企業を探しやすい会社なので、たいへん仲介のしがいがあるお客様ということになります。

なのでM&Aで高く会社売却したいとき、「伸びている会社」という事実はとても重要です。

「伸びている会社」のその伝え方もったいない!

私も創業から3年目までは「伸びている会社」という事実をどう第三者に説明するかを考えて
「受注件数◯件増えて、売上は毎年◯億円ずつ増えています!」
というアピールの仕方をしていました。

実際、毎年それだけの売上を伸ばし続けていましたし、それが特徴的で分かりやすいだろうと考えていたからです。

もちろんそれも魅力的な会社だと思いますが、会計視点で知りたかった人にとっては「元気な会社」くらいしか伝わっていなかったはずで、今思えばもったいなかったと反省しています。

相手に合わせて指標でも伝えられるようにしておくことが必要でした。

「伸びている会社」を指標で伝える

相手に指標で伝えるには、決算書から計算できる「経営分析」がぴったりです。
経営分析の中の「成長性分析」のうち、売上高増加率と自己資本増加率が、客観的に成長度合いのわかる指標です。

それぞれの数値は次の式で計算することができます。

売上高増加率(%)=((当期売上高-前期売上高)÷前期売上高)x100

自己資本増加率(%)=((当期自己資本-前期自己資本)÷前期自己資本)x100

売上高増加率と自己資本増加率は、それぞれ25%あれば、たいへん優良な「伸びている会社」です。

総合的に判断されるけど強い指標はそれだけで強み

会社売却をする直前に直近3期の計算では、売上高増加率が平均40%、自己資本増加率が平均88%の成長をしていました。
大手企業ではなかなか出てこない、スタートアップならではのビックリドッキリな数値です。

そしてこっちの「経営指標による会社伸びてますよアピール」のほうが、銀行をはじめ、会計の話をした担当者さんに他の経営分析の指標と合わせて、バシバシと刺さっていったのでした。

もちろんM&Aのさまざまなシーンでも印籠のように役立ってくれたのは言うまでもありません。

* * *

なお、それぞれ指標を伸ばすにはどうしたらいいかというと、
売上高増加率は「集客と営業たくさんがんばろう」、自己資本増加率は「納税たくさんがんばろう」になります。
M&Aの良い結果につながるポイントですのでぜひ対策してみてください。

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