会社売却においてIM(企業概要書)は超絶重要
M&A仲介会社さんへ正式な依頼を終えた後、担当さんから買い手企業への提案資料となるIMが上がってきたので、wktkしながらさっそくチェックしました。
「読みづらっ!」Σ( ̄ロ ̄lll)
事前に提供したデータがふんだんに盛り込んである、とにかく何を伝えたいのか分からない資料でした。
改めて、IM(企業概要書)とは売却対象となる企業の情報をまとめた資料のことです。
買い手企業はこの資料を見て評価をおこない、詳細の確認や次の商談に向かうか判断をすることになるので、M&Aにおいて、とても、とーーーっても重要です。
もう一度言います。M&Aの入口としてものすごく重要な資料です。
IM(企業概要書)は作った人の当たり外れが激しい?
M&A仲介は1つの案件につき半年から1年かかりますから、業界構造的にも1人の担当者が同時に多数の案件を抱えることになります。
クライアントとしては不満はあるものの、背景は理解できるのでIMの出来がひどいのは仕方ないかな、と思いました。
加えて、M&A仲介会社さんが当社事業を知ってから期間も短いですので、ビジネスを深く理解してそれを魅力的に表現しきることは、とても難しいことなのでしょう。
ところで、当時は「全般的にIMの水準がこのレベルでM&A仲介が成立してしちゃってるのかもナー」と思ったのですが、後日別の機会でIMを見ることがあり、そっちのIMはとても魅力的な見せ方だったので、私の中でIMは作った人の当たり外れが激しいという結論になりました。 ○| ̄|_
M&AでIM(企業概要書)は伝言ゲームの一番最初
IM&A仲介の全般を通して1人で担当するような小規模のM&A仲介会社でない限りは、IMを作成した以外の人、たとえば営業の人もIMを使います。
経営者から直接話を聞いてIMを作成した人が、会社や事業の強みや魅力を理解していなかったら、IMに案件情報を落とし込んでも別の担当者にも伝わるわけがありません。
伝わらないIMを読んださらに別の担当者が、作った人より内容を理解して提案することはできません。だって伝言ゲームなんだもん。
で、さらに買い手企業もIMを読んで、さらに内容を理解していない担当から話を聞いたとして価値が伝わるわけがない。だって伝言ゲームなんだもん。
尚、買い手企業がIMを見るのは守秘契約を締結した後になります。
IM(企業概要書)をこちらで作成させてほしいとお願いすることに
さすがに、こちらの不利益になると思いましたので、考えを切り替えて、IMの修正をこちらでさせてもらえないかとお願いすることにしました。
IMに記載される基本的な内容は次の通りです。
- 企業概要
- 事業内容、業界の状況や立ち位置
- 組織体制や、関連会社の有無
- 財務状況、資産状況や、設備の保有状況
- 許認可の有無や、特許など知的財産の有無
- 今後の事業計画や業界展望
- 譲渡理由と譲渡条件(譲渡希望額も!)
- 経営者の経歴
これらは急に作るとなると時間がかかってしまうので、普段から、整理や把握と作成しておくとM&Aの途中途中で時間がかからずに済みます。
私の経験では、年次で社内プレゼン用の事業計画書を作るようにしていたので、いっしょに作成しておくとIM用にも再活用できて楽だと思います。
IM(企業概要書)で特に強調したいポイント
IMは、たくさんの提案を連続で「次…、次…、次…」と見られることも多いです。
そのため、買い手企業の担当者さんが「お!これはっ!」と手を止め、目を通したくなるのは下記のようなアピールポイントのようです(どれも重要)。
- 業界が伸びているデータ
- ◯期連続!とか、前年比◯%!など、売上の伸び
- 業界トップシェア!など自社の優位性
- EBITDAが大きい場合は、具体的に強調
- リピーター数と、リピーター売上割合
- 会社経営が自動化されていて、経営者の労働がないこと
- 経営者が残留できるとか、キーマンがいる場合はそれも
- 今後の業績見込み
- その他、ブランド価値やメディア実績等(のれん情報)
私の経験でもそうだったのですが、一般的に大量の仕入れをおこなっている会社は、関連製品を卸している企業からも引き合いが増える傾向にあるようです。
IM(企業概要書)は複数の買い手企業からの意向表明を受けるための入口
別の記事で、複数の買い手企業からの意向表明があると高値になるということを書きました。
【関連記事】複数の買い手企業が買収したいとき売却額は跳ね上がる
企業情報で表現されるのが「何業で、売上いくら、営業利益がいくら」だけでは、ほんとうに表面的な数字でしか自分の会社を見てもらえないことになってしまいます。
IMは、買い手企業に意向表明まで進んでもらうための入口の入口、トップ面談の数を確保するためにも、その一番最初に「一社でも多く自社のM&Aに興味関心を持ってもらってうための重要なツール」ですので、ぜひ力を入れていきましょう。