会社売却で一番大きな金額の失敗をした話

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M&A仲介会社にはいつ依頼するか

「次の決算締め日を迎えて、もしそのときに業績に手応えを感じていたら、M&A仲介会社さんに正式に依頼することにしよう」

私は下調べを終えていたM&Aの依頼開始日を、会社の決算締め日にしようと考えていました。

そうすることで、買い手企業の候補へのアプローチが始まるタイミングで、勝負材料となる決算書の数字を示せると考えたからです。結果的にこれは良い判断でした。

そして、M&A仲介会社さんに依頼してから、最終合意や株式譲渡の着金までに6〜8ヶ月の期間を見込んでいました。

結果的に最終合意までに12ヶ月かかった

しかし結果はというと、予想期間を上回り最終合意と株式譲渡の着金までに、依頼から12ヶ月がかかってしまいました

事業規模も大きくなっていてデューデリジェンスに時間がかかったことと、買収資金の銀行融資承認までに待ちぼうけするなどしたためです。

そして12ヶ月かかった、ということは。
そうです、翌期の決算締め日も来てしまいました。

株式譲渡金額は、前期の決算書から取り決めしたのですが、時間がかかったことで、翌期の売上と営業利益は前期の約1.5倍に伸びてしまいました(いや、良い話なんです)。

もっと高い株式譲渡価格になったのでは???

最終合意の締結は、銀行の融資承認待ちが理由で伸びていましたので、時間がかかったことは関係者全員にとって不可抗力だったと思います。

しかし、その結果を考えると「あれ?この売上と営業利益なら、もっと高い株式譲渡価格になったんじゃね?」という私にとって、やや疑問と後悔の残るものとなってしまいました。

私が「しまった!」と思ったことの中で、一番大きな金額のミスだったと思います。

M&A期間中の売上減少は、値下げ交渉要因に!?

M&Aに着手してから、デューデリジェンスを経て最終合意に至るまでの期間は、前年同月の売上は確実に維持したほうがよいと言われています。

売上が下がることで買い手企業から、将来的な心配されたり懸念を持たれるだけでなく、株式譲渡価格の値下げや、交渉のブレイクされやすい材料をこちらが作ってしまうので、なるべく避けたほうがよいからです。

売上が下がったら株式譲渡価格の値下げの話が出てくるのであれば、売上が上がったら株式譲渡価格は値上げしてもらいたいですよね。
私も、まさかここまで時間と売上が伸びると思っていませんでしたので、その条件を盛り込んでいなかったことは悔やまれます。

業績が上がりそうなら条件交渉しておきたい

この「M&A株式譲渡日記」に興味関心を持っている経営者の方は、業績が上がっている中で会社売却を検討されている方が多いのではないかと思います。

もしM&A期間中に、業績がさらに伸びそうで期末に近いならば、ぜひ業績がよかったときの条件についても交渉されてみてはいかがでしょうか。私が当時に戻れるならぜったいにそうしたいです笑

逆にドライなアドバイスになってしまいますが、がんばっても売上が下がる見込みのときは、期末を超えないように進めていくことも大事なのかなと思います。

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