複数の買い手企業いると買収提案額は高くなる
未上場企業は、上場企業のように1株あたりの株価は決まっていませんが、M&Aをするために商慣例的な株価算定方法が予め決まっています。
そのため、決算状況や、営業権や知的財産権の有無などで、およそ譲渡価格はこれくらいかなーという予想が成り立ちます。
しかし、それらの予想を超えて高い買収金額が提示されること稀にあります。それが複数の買い手企業からの意向表明です。
買い手企業が複数いるとどう値上がりする?
M&Aは買い手企業さんが1社でもあれば成立します。
買収を希望する企業が、予め設定した募集期間の締め切り日までに、買収金額や条件を記した「意向表明書」を売り手企業に提示することで買収の意思を伝えます。
守秘契約もあるので「他にも買収希望の買い手企業がいる」くらいしかわかりません。
意向表明により、そのまま決まることもありますし、意向表明の締め切り期限を過ぎた後、売り手企業と買い手企業との間で、買収提案について交渉が入ることもあります(但し、「意向表明請書」という受領書を提出する前に限る)。
「この魅力的な会社をどうしても買収したい!」ということになれば、追加交渉により提示金額が上がっていく可能性があります。
私のM&Aはどうだったかというと……
私のM&A経験では、最終的な意向表明までに3社が残ってくれておりました。
結果的に、正式な意向表明をいただいたのは1社だけでしたが、「他社も意向表明を出そうとしている」という情報戦の中、その買い手企業さんも他社の存在がなかったときよりもずっと良い条件での意向表明をしてくれたのだと思います。
(買い手企業さんとは今もお付き合いが続いているので、今度「意向表明のとき、他社さんの存在はどれくらい考えましたか?」とか聞いてみようかな?)
売り手企業としては複数社からの意向表明を受けたい
売り手企業としては当然、複数社からの意向表明を受けたいですよね。
時流などタイミングもありますし、M&A仲介会社さんの限界もありますし、なによりお相手のあることですので、こちら側がコントロールしきれるわけではありません。
それでも「この会社を買収したい!」と思ってもらえるように、できる限りの準備をしていくことが、複数社からの意向表明を受けるための近道ということになります。
努力に見合う十分なリターンがあると思いますのでぜひ取り組んでいただけたらと思います!
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