もし私が、次の起業をするなら、間違いなく出口戦略を意識しながら事業をすると思います。
私の経験でも、「この事業は、売上がだいたい◯億円までいくだろうから、一旦そこまで経営に集中しよう」というくらいで、明確な出口戦略を持っていたとは言えませんでした。
会社売却をしてみて改めて思うのは「会社売却をすると決めてなかったとしても、その準備をしておいて何一つ損しない。むしろ会社売却の可能性が少しでもあるならその準備は絶対にしておいたほうがいい」ということです。
会社の出口戦略に積極的か消極的かで選択肢がぜんぜん違う
会社の出口戦略に積極的か、消極的かで経営者が持てる選択肢がぜんぜん違います。
積極的な出口戦略(計画的)
会社の出口戦略に積極的だと、取りうる手段には次のものがあります。
- IPO(株式市場に会社を委ねる
- 事業承継①(親族に会社を委ねる
- 事業承継②(従業員に会社を委ねる
- 事業承継③(第三者に会社を委ねる これが会社売却と呼ばれるヤツ
- 計画倒産
消極的な出口戦略(計画ナシ)
消極的出口戦略というのも変な日本語ですが、計画がないので次のようになります。
- 続けられる限りの経営
- 意図しない倒産/意図しない廃業/意図しない会社清算
積極的⇔消極的はそれぞれ、計画的⇔無計画とも言いかえることができます。
計画的はその名の通り、普段から準備をしておかないと、いざというときに選択することができません。
会社の成長や事業拡大は、出口戦略に関係なくできる
「会社の存在意義は、利益を上げて成長を続けることでしょ!」という意見もあるかと思いますが、それはまったくその通りです。
これは私自身の経験なのですが、
- 会社の出口戦略を考えながら経営するのは不誠実
- 会社の成長を目指しているときは、経営者は出口戦略など考えるべきではない(集中するべき!)
という思い込みをしていたことに気づいて、とてもおどろいたことがあります。
ひょっとして自分、盛大に勘違いしてる???(*ノ∀`*) と。
会社の成長や事業拡大は、出口戦略の準備をしていても、関係なく達成できました。
むしろ財務や事業計画がより具体的になるので、経営の質が良くなりました。
出口戦略を考えながら経営をしても会社は問題なく成長するのですから、私の思い込みはウソのはずです。
出口戦略の準備をしておいて損はない
このような私自身の経験を経て、もし次の起業をすることがあるなら、出口戦略を意識した経営をするでしょう。
私の場合は、会社売却を決めてから1年間程度のタイムロスがあり、もったいない時間だったと特に実感したのもあります。
- 出口戦略の準備をしておいて損はない
- 出口戦略の準備をしていると取れる選択の幅が広がる(納得できる)
- 出口戦略の準備をしてないといざ決めたとき出遅れる
- 出口戦略に含まれる水準の財務や事業計画はむしろ会社の成長に有益
というお話について書いてみました。