会社売却する際の、株式譲渡に関して、ちょっと税金を抑えるかもしれない話を書きます。
最初におことわりをしますが、個々のケースによって前提も条件も違いますし、私は実行しなかったお話ですので、エンタメとして読んでくださいね。
株式譲渡後のお金の移動は贈与になりますが……
18歳以上の直系の子どもや孫に贈与する特例贈与は、600万円以下は20%の贈与税ですが、600万円を超える贈与には30%の贈与税がかかります。
贈与額が4,500万円を超えると、贈与税率が最大の55%になります。
これら贈与税率は、会社売却時の金融所得税率20.315%を大きく越えています。
ということは「会社売却で株式譲渡を実行する前に、子どもや孫に株式移転が済んでいれば、600万円を超える金額でも低い税率20.315%で所得移転できるのではないか?」ということを考えたのでした(思考実験デスヨ?)
※本稿が間違っていても責任が持てませんので、専門家で責任持てる方に確認してくださいm(_ _)m
上場企業関係者が会社売却や会社買収前に株式の売買をするのは絶対ダメ
ちなみに、自社が上場企業の場合にこれをやると、インサイダー取引になるので確実に実行してはいけません。
でも自社が非上場の会社の場合のM&A前の株式移転は、インサイダー取引の対象ではないことになっています。
この辺りは、金融商品取引法 第166条に規定されています。
※本稿が間違っていても責任が持てませんので、専門家で責任持てる方に確認してくださいm(_ _)m
会社売却前におこなう株式移転の適正な境目はどこ?
次に「会社売却によって株価が上がるとわかっている状況での株式移転は、会社売却によって上がった後の株価で換算されるべきではないか?」という懸念があります。
私もそう思います。
同時に、大前提として、非上場会社も、株式移転は問題なく認められています(適正株価での売買が望ましいです)。
ではこの境目がどこになるのか?が重要になるのだと思いました。
※本稿が間違っていても責任が持てませんので、専門家で責任持てる方に確認してくださいm(_ _)m
株価が上がる根拠が生じるのはいつか?
会社売却のフェーズ別に考察してみます。
- M&Aを具体的に計画して、トップ面談や基本合意以降は「株価が上がる根拠がある」と言えそうです。
- M&A仲介会社に依頼する時点では「株価が上がる根拠があるかは微妙なライン」
- M&A仲介会社への依頼前の、相談時点では「株価が上がると根拠があるかは微妙なライン」
- インターネットや書籍でM&Aを調べ始めたくらいでは「株価が上がる根拠はまだあるとは言えない」
ではないかと思われます。
※本稿が間違っていても責任が持てませんので、専門家で責任持てる方に確認してくださいm(_ _)m
会社売却前の株式移転の望ましいストーリー
なので、「子どもや孫に株式移転をした時点では、会社売却なんてこれっぽっちも可能性がなかった。株式移転してから会社売却の計画が持ち上がった」という事実が必須条件ということになりそうです。
当然、そのための時系列や、記録や書類証拠などが残されている必要がありますね。
また、こまかいことを言うと、子どもや孫に株式移転をした合理的な理由もほしいです。
会社設立した第1期目の最初の決算を迎える前は、定款で決めた株価イコール株価の時価ですので、そういう意味では、第1期に望ましい持ち株割合にしておくのが安心安全です。
※本稿が間違っていても責任が持てませんので、専門家で責任持てる方に確認してくださいm(_ _)m
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会社売却後にひまになって、ぼーっとしながらこんな思考実験をしましたよ、というシュレーディンガーの猫のようなお話でした。
一般贈与、特例贈与、贈与税率、控除、金融所得課税、所得移転、金融商品取引法、このあたりで調べていただくといろいろわかると思います。