「も、もちろん株主総会議事録は残していますよっ!!(汗)」
M&A仲介会社さんに「株主総会議事録を提出してください。議事録残してますよね?」と言われた僕は上記のように胸を張って(?)回答しました。
会社売却のための事前準備として、株主総会議事録を残していることは必須です。
会社法により義務付けられている株主総会議事録
毎年の事業年度の後に株主総会を開催することも、その議事録を残すことも、会社法で義務付けられています。
話し合われる内容は
- 事業報告および計算書類の承認
- 取締役・監査役の選任・解任・報酬の決定
- 定款の変更
- 配当などの剰余金の処分
- 合併、会社分割、株式交換・移転などの組織再編
- 解散や清算の決定
等です。
この議事録は本店で10年間の保存が必要です。「会社の重要事項を決定した証拠を記録として残すこと」を会社法で義務付けるのは当然ですね。
株主総会議事録がないとデューデリジェンス(DD)は突破できない
M&Aプロセスにおいて、株主総会議事録が無くても、案件化、トップ面談、基本合意までは進めることはできるかもしれません。
しかし法務的なチェックが入る買い手企業からのデューデリジェンスを突破することはできません。
買い手企業としても、法的義務を怠っている会社を買収することはできないでしょう。
普段会社にいない人が株主の場合は特に注意
僕の場合は、常勤役員が株主でしたので、常に会社に株主が揃っているため、招集も会議の実施も比較的簡単でした。
しかし、もし株主が非常勤など普段会社にいない場合、また、株主同士の人間関係が複雑だったり、不仲な場合は、招集が困難ですが、それでも株主総会は年に1回の義務として株主に招集通知をして実施する必要があります。
株主総会を実施していないのに実施したことにするのは不法行為
株主総会自体を実施していないにも関わらず、実施したことにして、株主も参加して賛成したという虚偽の記録を残すということは、不法行為にあたるという判決が出ています。
株主があつまって会議はしたけれど、日時があいまいだったり、会議のメモ程度しか残っていない場合は、遡って作成することは非常に大変だと思いますし、そもそもグレーですのでよろしくありません。会議だけでなく、議事録を残すことも重要です。
だからこそ、株主総会議事録は法的な重要書類として、M&Aプロセス前に残しておくことが大事ですね。