M&AプロセスにおいてM&A仲介会社や、買い手企業候補に対して様々な情報を開示しますが、その中でも、関係会社との取引情報は重要な情報の1つです。
今回はM&Aプロセス開始前に、関係会社情報一覧の準備することについて、具体的に書いていきます。
仕入先(外注先)の情報一覧
自社の事業運営に欠かせない仕入先(外注先)の情報一覧を準備します。
私の場合、仕入先(外注先)一覧には名前、住所、連絡先などの基本情報に加え下記を記載しました。
- 仕入れている商品や依頼している業務の内容
- 仕入れ商品がなくなった場合の代替品
- 依頼先が業務を受けれなくなった場合の代替依頼先
- 年間取引金額
- 契約書や取引条件
また、買い手企業候補からは、仕入先を見学したいという要請がありました。確かに仕入れ額が大きかったので検討段階で見学したいと考えるのは納得でしたので、見学アテンドをしました。
ただ、仕入れ先に「買い手企業候補と見学にいきます」なんてことは言えないので、「大口取引先と見学に行きます」というウソとも本当とも取れない名目にして見学にいきました笑
情報一覧とともに、リアルに見学をすることで、より解像度高く買収後のイメージを持ってもらうことができたと思います。
顧客の情報一覧
顧客一覧には、名前、住所、連絡先などの基本情報に加え下記を記載しました。
- 販売にいたるきっかけ(web、電話、紹介等)
- 販売した商品やサービスの内容
- 担当者、決済者
- 予算感
- リピート数
- 年間取引金額
- 契約書、取引条件
- 自社の営業担当
上記の他に見込み客情報一覧も同様に準備しました。
私の過去の経営では、BtoB、BtoCともにおこなっていましたが、買い手企業候補はBtoBの大口顧客や大手企業について特に興味を持っていました。おそらく我々の顧客属性を知ることで、買い手企業側の既存顧客リストとのシナジーや、販売拡大戦略をシミュレーションしていたのだと思います。
実際に売却後、買い手企業の既存の取引先から大口の案件を獲得していました。
顧客の情報一覧を買い手企業候補に見てもらうことによって、買収後の拡大戦略をイメージしてもらうことも、M&A成立に近づきます。
購入後をイメージさせるという点で、営業と同様だと思います。
基本合意前とデューデリジェンス(DD)で情報の解像度を変える
取引先や顧客の情報は、いずれも自社にとって非常に大事な情報です。
そのため、買い手企業候補には、基本合意前は、抽象的な情報で提示します。
例えば、仕入先情報を「大手商社」とか「海外部品メーカー」などにして、顧客情報は「個人」とか「法人(飲食店、大手ホテル)」などと記載しました。帝国データバンクや東京商工リサーチに質問された時と同じ解像度のイメージです。
そして、デューデリジェンス(DD)では、具体的な情報を提示します。例えば、◯◯株式会社、◯◯ホテルなどの具体名です。
M&Aの準備段階で一覧を整理することで自社の現状を客観的に把握できる
取引先の情報を提示することは、買い手企業候補に対して、自社の事業モデルや収益構造を理解してもらうことにつながります。
また買い手企業候補にとっても、M&A後の事業統合やシナジー効果や、リスクや課題に対するシミュレーションの解像度が高くなります。
同時に関係会社一覧をまとめることで、私自身にとっても自社の現状をより見える化でき、資料作成や面談時のプレゼンに役にたちました。そういった点でもM&Aプロセスの前に取引先一覧を準備することは大切ですね。
