これは事実を客観的に書くだけなので、特別変わった話はないのですが、M&Aのプロセス中に、売却予定の会社の資本関係のある会社の関係図も作成しました。
多くのケースで、
- オーナー経営者が100%株主
- 出資先もナシ
になると思いますので、出資元も出資先も特にナシという方はこのお話はスルーしていただいて大丈夫です。
出資関係図の記載内容
出資関係図は、2つのことを記載します。
- 売却予定の会社が、誰から出資を受けているか(株主と構成比率)
- 売却予定の会社が、ほかにどの会社に出資をしているか
例を挙げると、
私が売却した会社では、どどんぱ個人と、私の別の資産管理会社Aが株主で、
売却した会社が別の協力会社Bの12.5%の株主でした。
(↑のように、文字の説明だけだとわかりにくいですよね)
出資関係図として、こんな図を作りました。
出資関係図の目的
出資関係がある場合だと、株式譲渡の譲渡範囲が不明瞭になりやすいので、株式譲渡範囲を明確にする目的があると思います。
譲渡範囲の誤解があるのはちょっと怖いですね。
もう一つは、買収後の資本関係をわかりやすくするためと、出資先がある場合は、買収後の関わり方や出資の清算を明確にしていく目的があると思いました。
出資関係図の範囲内で、取締役の兼任状況も記載した
個別ケースにより異なると思いますので簡単に触れますが、出資関係図に記載する範囲で、売却予定の会社のほかに取締役の兼任があればそれも記載するそうです。
たくさん会社を所有し経営している場合、どこまで記載するかはセンスかなとも思います。
それがどの程度、買い手企業にとって重要かわかりませんが、関係性の濃さや、買収後の関係性にも影響するので必要なるのでしょう。
出資関係図の作成は、M&A仲介会社さんが作ってくれた
出資関係図は、企業概要書(IM)に記載したのみで、普段使うことがなかったのでM&A仲介会社さんがヒアリングから作成してくれました。
ここは間違いのないように、ほかの資料と比べても丁寧に進めてくれた印象でした。
出資関係図は何度も使う資料ではないけど注目される資料
特にほかのシーンで使うことはありませんでしたが、企業概要書(IM)に記載した株主や出資先についての質問は、ほぼすべての買い手企業候補からあったので、買い手企業からすれば、きちんと確認しておきたいことだろうと思います。
出資関係図を作成するための情報提供や、質問には答えられるようにしておく必要がありそうです。
決算報告書の中にも出資関係図を記載したりしますが、企業概要書(IM)のそれは決算書とはちょっと違う印象だったので、1つ話題として書いてみました。