M&Aに向けて株主名簿と株式の移転記録・発行済み株式総数がわかる資料を準備する

M&Aの準備段階で、自社の株式に関する資料を準備します。

特に、株主名簿と株式の移転記録・発行済み株式総数がわかる資料は、株式譲渡の際に必須の書類となります。

これらの資料の提出がスムーズにできなかったり、不備があったりするとM&Aプロセスがとどこおることになりますし、最悪の場合、M&Aが不成立になりかねません。提出を求められる前に準備しておくべきものです。

目次

株主名簿の情報は最新か

株主名簿は株主の氏名、住所、保有株式数などを記載した書類で、株主構成や株式の分散状況を把握できます。そのため株主名簿は最新の情報に更新しておく必要があります。

もし普段会社と関わっていなかったり、連絡が取りにくい株主がいる場合は、M&Aにのぞむ前に情報を整理して最新に更新にしておきます。

株式の移転記録はぬけもれなく整理されているか

株式の移転記録は、株式の譲渡や移転の履歴を追跡する記録です。

具体的な書類は、上記の株主名簿のほか

  • これまでに交わしたすべての株式譲渡契約書
  • 株主総会で株式移転を決議した場合はその議事録
  • 決算報告書の中の”同族会社等の判定に関する明細書”のページ
  • 新株発行を決議した場合はその取締役会の議事録

などがあります。

オーナー経営者が100%株式を所有している場合は問題ありませんが、複数の株主がいる場合は、株式がいつ誰から誰に移動したかを書面で管理し、履歴を明確にしておかないといけません。

記録が整理されていない場合は、 M&Aの準備段階でそれぞれの履歴を確認したり、各株主にヒアリングして、書面に残す必要があります。株主同士の人間関係が複雑だったり、不仲な場合は、書類回収が困難になることもありますので早めに準備しましょう。

ストックオプションや持ち株会の関連資料を準備しておく

もしストックオプションや従業員持ち株会がある場合は、関連資料を準備しておく必要があります。

具体的にストックオプションについては、新株予約権の発行に関する議案書、その議案を承認決議した取締役会の議事録、ストックオプション行使通知書などの書類です。

従業員持ち株会については、規約、拠出金の払込証明書、株式買付・売付記録、保有株式数の報告書などの書類を準備しておきます。

発行済み株式総数の確認と更新

発行済み株式総数は、会社が発行している株式の総数を示す数値で、これらの株主名簿や株式の移転記録と整合性がとれている必要があります。

そのため、上記の資料は整理され、最新の状態に更新されている必要があります。

買い手企業にとっては、売り手企業の株式の資料の正確性は大前提です。だからこそ売り手企業はM&Aにのぞむ前から株式に関する資料は定期的に整理しておき、スムーズにM&Aの準備に入れるようにしておきました。

( 免責事項 )
当記事のコンテンツ・情報について、正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等は、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
良い記事だと思ったら、保存しておいてください
目次