「経営リソースで足りないものはなんですか?何がネックですか?」
デューデリジェンス(DD)時に、買い手企業から上記の質問をされました。
買い手企業からは「買収後の成長に向けて積極的にシミュレーションしている」という雰囲気が感じられました。
だからこそ正確に答えたく、買い手企業の質問の意図や得たいニーズをシミュレーションして回答しました。
買い手企業が経営リソースの不足やネックを質問する意図
◯シナジー効果が発揮できる箇所の確認
会社のネックとなっている部分を、買い手企業の強みで補完しシナジーが発揮できるかどうかを検討しているのだと思いました。
◯事業統合(PMI)の計画の事前シミュレーション
前述と同様に、会社のネックとなっている部分を理解することで、買収後の事業統合(PMI)の計画を具体的にシミュレーションしようとしているのだと考えました。
◯経営リソースの不足やネックを解消する予算の検討
経営リソースの不足やネックを、資金投入で解消できるか、できる場合はどの程度の予算が必要になるか検討するための材料を必要としていると考えられます。
◯成長のポテンシャルの見極め
M&Aの最大の目的の1つです。現在の経営課題やネックを解消することで買収後にどれだけ成長できるかを考えていると思います。
買い手企業に必要な情報を理解して回答する
僕の経験の中の1つで、創業間もない販売業の会社を売却した際は、足りない部分が多かったのですが、特に販売拠点と人材(営業マン)が不足していました。
そのため、買い手企業への具体的な回答として、「販売拠点を増やし、そこで人材(営業マン)を採用することができれば、事業は伸びていく状況なので、まずはそこに予算や経営資源を集中すると良いと思います」と伝えました。
合わせて買い手企業担当者に「質問の意図に沿った回答になっていますか?」と確認したところ、「はい、欲しい情報がもらえました」と言っていただいたので、質問の意図の想定はズレていなかったと思います。
このように自社の経営において不足していることを事前に整理して、買い手企業のニーズを満たす回答ができるように準備しておくことで、買い手企業は買収に向けてシミュレーションを進捗してくれることになります。
また、こういった会社の未来に向けた会話を一緒にすることで、買い手企業は僕の経験やスキルを確認してくれ、継続的な協力を依頼できるかも探ってくれていたようです。ありがたいことに現在も顧問契約を結んでくれ売却した会社の応援を続けています。