デューデリジェンスは普段から適切に経営していたら資料用意するだけの簡単な業務

「ここまで書類が整っている売り手企業はなかなかありません」

これはデューデリジェンス(DD)の途中にM&A仲介会社の担当者さんから言われた言葉です。

M&Aにおいて、デューデリジェンス(DD)をスムーズにおこなうためには、日々の情報管理の積み重ねが大切だったと強く実感しました。普段から適切な管理を行っていれば、資料の準備や提出は簡単な業務になります。

デューデリジェンスに備えて日々どのような点に気をつけていたか書いていきます。

目次

日々の売上は大事だが、売却するなら情報の整理整頓も重要

会社経営において、売上を上げることはもちろん重要です。しかし、株式譲渡を見据えた場合、情報の整理整頓をしておくことも同様に重要です。

日々の経営活動において、経営の意思決定時の会議議事録、財務情報や取引の記録、契約書などの重要書類を日頃から管理しておくことで、デューデリジェンス(DD)の際に迅速に対応できるようになるためです。

情報の整理整頓は従業員の協力も必要

情報の整理整頓は、経営陣のみで気を付けることではなく、会社全体、従業員の協力も必要となります。

僕の場合は

  • 定期的な棚卸し
  • 顧客との契約書の、捺印チェックや収入印紙貼りのルール化と習慣化
  • ファイル保管だけでなく、クラウドに保管

などは、従業員によって日々積み重ねていってもらいました。

普段から重要な資料の管理ルールを徹底する

経営において特に重要な資料については、下記のように管理ルールを確立して徹底しました。

  • クラウドへの保管とファイルの命名ルールの徹底
  • クラウド上のファイルによってアクセス権限を分ける
  • 書類を更新した場合は、ファイル名に更新した日付を記載する

こうした日々の管理が、デューデリジェンス(DD)時の迅速な対応に役に立ちました。

書類が無い場合は「ありません」と正直に伝える

デューデリジェンス(DD)の際には、買い手企業やM&A仲介会社から多くの資料が求められます。しかし、要求されるすべての資料が揃っているわけではありません。

M&Aにおいては、[必須の資料]と、買い手企業が検討するにあたっての[あればなお良い資料]があります。提出の要望を受けたものの、ない場合は「ありません」と正直に伝えて問題ありません。

逆に無理に資料を用意しようとして不正確な情報を提供すると、後々のトラブルの原因となる可能性があります。ただできる限り、代替となる情報を提供することで、買い手企業の理解を得る努力はおこないました。

僕の場合も、買い手企業から「あれば提出してください」と求めれたけど、もともと存在しないのと自社のM&A上作成する必要もないため、「ない」と伝えたものがいくつかあります。

普段から適切に経営していたら資料用意するだけ

買い手企業は、売り手企業の実態を正確に把握できる資料やデータによって、買収の検討を進めてくれます。

日々情報整理をしておけば、書類探しや書類作成の時間は大幅に削減され、買い手企業にスムーズに検討材料を提出できます。

また、そのような管理体制自体も買い手企業に評価されるポイントになるでしょう。

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