売り手企業にとってデューデリジェンス(DD)は自社をプレゼンする場でもある

「基本は営業の心構えと一緒だな」

デューデリジェンス(DD)に臨む時、上記のような気持ちでした。
当時、自分がデューデリジェンス(DD)の際にどのような心構えで臨んだか書いていきます。

目次

自社の価値や魅力のプレゼン作業・セールス作業でもある

デューデリジェンス(DD)は買い手企業にとっての検討や精査する期間だけでなく、売り手企業にとっても自社の価値や魅力をプレゼンし、セールスする場でもあります。

そこで、売り手企業としては、資料や面談、質疑応答において自社の強みや市場でのポジション、成長の可能性などを効果的に伝える必要があります。

僕にとっては自社で販売している商品を売ることと同様に、会社自体を[パッケージ化した商品]として、それを営業していくイメージでした。

これは間にM&A仲介会社が入っていても同様で、M&A仲介会社の担当者さんが買い手企業に営業しやすいような資料や営業トークを共有することにしていました。

苦手分野もしっかり取り組む

前述の営業的業務だけでなく、デューデリジェンス(DD)は全方向的な業務が発生していきます。

苦手な業務だからといってないがしろにしてしまうと、売り案件として中途半端となり、会社自体の[パッケージ化]も完成していないまま販売することになってしまいます。

それでは、後々のトラブルを生んだり、売却額に値下げ交渉が入りかねません。

例えば僕の場合は、書類準備のような事務作業、財務の数字チェックなどは苦手分野でしたが、買い手企業に検討してもらう材料を提供するためにも取り組む必要がありました。

頼れる人がいたらしっかり頼る そのコストは回収できる

デューデリジェンス(DD)の過程では、多くの情報を要求されるので、全て自分で対応するには相当な労力が必要です。

このため、専門家のサポートを受けることが非常に有効です。弁護士、公認会計士、税理士、M&Aアドバイザーなど、各分野の専門家に依頼することで、買い手企業に対してスムーズな対応が可能となります。

僕の場合も顧問弁護士や顧問税理士に別途費用での協力の相談しつつ、契約書についてはM&Aの経験が豊富な弁護士先生にも見てもらい、また事務作業が得意な役員にも頼りました。

もちろん専門家への依頼はコストがかかっても精度は高まります。しかしその投資はM&Aの成功によって十分に回収できます。

売り手企業にとってのデューデリジェンスの心構え

このように見直してみるとやはり冒頭のとおり、営業の心構えと一緒だなと思います。

当時も「専門家の協力を得つつ、苦手でもやるべきことをやり、パッケージ化された商品(自社)を営業する」そして、それを「精度高く実行する」という心構えでいたように思います。

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