買い手企業と決めるべき最後の内容は、当然「株式譲渡契約書の文章全部」です。
私も経営者歴が長いので契約書もかなり読み込める自信はあったのですが、今回は大きな金額の契約になりますので漏れがあったらイケナイということで、M&Aを専門的にされている法律事務所の弁護士先生に契約書のチェックをお願いすることにしました。
顧問弁護士先生がいても念を入れる
私が経営していた会社ではお付き合いの長い弁護士先生に顧問になっていただいていました。しかし、M&Aの専門家というわけではありませんでした。
M&Aに関しては私も会社売却後のトラブルが怖いので、ここはM&Aに詳しい弁護士先生に相談することに決めました。M&Aに強い弁護士先生は、たくさんの株式譲渡契約書を見ているので、
- 売り手企業にとって不利でもその条件が一般的な範囲か
- そのM&A案件だけの特有の条件が含まれているかどうかの判断
- 項目は一般的だけど、条件が不利になりすぎている項目がないかの見極め
など、法律面だけでなく条件面でどこまで交渉できるかの加減も心得ている点が大きいと思います。
ちなみに、会社の顧問弁護士先生には内緒でした(ごめんね)。
M&Aに強い弁護士先生、なぜか案件に入ってこようとする
M&Aに強い弁護士先生ですが、M&Aに詳しいだけあっていっしょに案件にジョインしたがってました(案内もそっちに誘導されつつあった)。
もうここまでやってきて、残っているタスクも最終合意である株式譲渡契約書のチェックだけなので、今から譲渡金額の◯%でジョインと言われてもそこはもう勘弁してほしい提案でした。
「た、タイムチャージでお願いします!」
きちんとお伝えすることが大事です(汗
M&Aに強い弁護士先生のタイムチャージ、ずいぶん高い…
タイムチャージでお願いしたところ、私はてっきり法律相談の30分5000円かと思っていたのですが相談会議の後に請求書をいただきまして「ほんとに普段からそのタイムチャージなんですか?」という単価になっていました。
また、こちらとしては弁護士先生お一人で良かったんですが、当日お二人の先生が同席されていて、隣で話を聴いていただけの弁護士先生の費用もきちんと人数分別々にチャージされている請求書でした。うーん、そういうもんなんですかね??
結果的に2時間16万円の請求となっておりましたので、これから会社売却される方は、事前に依頼する前にメールなどの文章で、
- M&Aの契約書のチェックをお願いしたい
- タイムチャージでお願いしたい
- 弁護士先生ごとにタイムチャージが発生する場合はお一人でお願いしたい
は伝えたほうがよいと思います。
結論、M&Aに強い弁護士先生へ依頼して良かった
M&Aの株式譲渡契約書は、会社ごとに契約条件が違うので、できれば必ずM&Aに強い法律家の方に確認をしてもらったほうが良いと思います。
私の経験でも、例えば以前書いた、損害賠償の請求条件や、損害請求額の上限についての交渉は、M&Aに強い弁護士先生のアドバイスによるもので、私だけでは気づけない部分でした。
依頼の仕方でちょっともったい支払いもありましたが、M&A専門の弁護士先生に株式譲渡契約の確認をしてもらうのは、結果的に質のよいアドバイスや、億の契約への安心につながり、費用以上の価値があったと思います。やはり相談してよかったと思います。