M&A仲介会社から提示された株価算定額に2倍以上の開きが。何で?

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M&A仲介会社から提示される譲渡価格、こんなに違うの!?

間違いなく会社売却を意識し始めたオーナー経営者たちが最も関心を持つのが「自分の会社は一体いくらで売れるのだろう?」ということです。

当然、譲渡したい金額、譲渡しても良い金額はこちら側から提示をするわけですが、その答え合わせとなる目線の金額はM&A仲介会社さんたちが提示してくれる株価算定になります。

しかし、私が複数のM&A仲介会社さんに株価算定をしてもらったところ、提示された株価には2倍以上の開きがありました。何で???

安く株価提案をしてきた仲介会社さんを除外してしまった

私も当時は知識がなく、気持ちもイケイケでした。

「なんだよ、俺の大事な会社に低い評価をつけやがって!」とか肚の底で思ってました。てへ。

安い株価提案に「このM&A仲介会社さんにはお願いしづらいなー……」と委託先候補から除外することにしたのですが、今考えたらかなりもったいないことをしたと思います。

M&A仲介会社さんからしたら、兎にも角にもまずは依頼を受けたいわけなので、必ずしも安く値切りたいわけではなかったはずです。じゃあなぜなのでしょう?

株価算定額が大きく違うのは異なる算定方法で計算しているから

結論を言うと、提示される株価算定が<大きく>違ってしまうのは「異なる株価算定方法で計算しているから」です。

ではなぜ、本来なら高い株価を示したほうがM&A仲介会社さんも委任されやすくなるはずなのに、異なる株価算定法、しかも低い株価算定で目線を提示することになったのでしょうか?

これについて調べてみると、どうやらM&A業界特有の背景が大きく3つあると分かりました。

1つめの理由:特定の株価算定方法しか知らないとか、慣れていないスタッフが計算をしているから

M&A業界ではスタッフはものすごくたくさんの専門知識や経験が必要です。優秀なリーダーは限られていて、優秀なリーダーの下で、チームスタッフがとんでもなく忙しく働いています。

そして、M&A市場で売却される多くの会社が、毎年の利益をベースに計算するのではなく、会社に蓄積された資産をベースに計算するコストアプローチ法で成立しています。

その結果、チームスタッフが他の算定方法を知らないとか、慣れていないために、より高い他の株価算定方法で計算せずに株価提案をしているケースがあります。

2つめの理由:そのM&A仲介会社さんの買い手側のお得意様がいて、成約までの商談が早く進むから

そのM&A仲介会社さんの得意パターンとも言えますし、買い手ニーズに合わせているとも言えます。あまり売り手側の立場に立っているとは言えません。

3つめの理由:そのM&A仲介会社さんがマルチプルの倍率上限を決めているから

マルチプル法を株価算定に採用しているけれども、M&A仲介会社さんが、倍率を3倍までとか上限を決めている場合も金額がが伸びにくくなります。

株価算定額が大きく異なるときは、算定方法や計算式の確認を

なので、株価算定方法や計算式が同じなら、本来であれば提示される株価も近似値になるはずです。

もし、M&A仲介会社さんたちから提示される株価が大きくことなるときは「どういう株価算定方法で計算しましたか? この算定方法ではどうですか? 計算式の数字も教えてもらえますか?」と計算の中身を確認していくと、どの部分が異なっているのか分かるのでおすすめです。

基準となる金額が分かると、あとは「基準金額から何倍の金額で売れる!」と判断するかというハナシになります。

M&A仲介会社さんたちの営業力の違いや実力の違いになります。「目線合わせからが本当のタマの取り合いやで」ということですね。

株価算定に差があるときの対応は?

私も「このM&A仲介会社さんはお願いしづらいなー……」と候補から除外するのではなく、確認をするくらいはしたら良かったなと思います。

すでにバイアウトに成功した株式譲渡ニキや株式譲渡ネキのみなさんもこのことを知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この点を気をつけると、譲渡金額が数千万円変わってくる可能性がありますよ!

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