M&A仲介会社への依頼は大手・中堅・小規模、どこがいい?

私もそうでしたが、会社売却したいときどのM&A仲介会社に依頼するのかは、非常に迷うところ。

高値は狙いたいけど、できるだけ仲介手数料も抑えていきたいし、

でも着手金を支払った後で「この仲介会社さん合わないな」と後悔もしたくないし、

もちろん会社が売れないとか、トラブルが起きるようでは困るし……。

おそらく、信頼できる伝手がない限りは、会社売却にチャレンジするほぼすべてのオーナー経営者の方が似たような迷いを感じるのではないでしょうか。

そんな葛藤を思い返しつつ、M&A仲介会社選びに役立ちそうな「M&A仲介会社の規模の話」を書いていきたいと思います。

目次

仲介手数料などの費用面

M&A仲介会社は年々増えていて、仲介手数料の価格競争が起きつつあります。
国の方針でも、着手金や仲介手数料費用などの重要事項の説明を中小企業庁が義務付けており、かかる費用は徐々に見える化してきています。

その上でなお、上手な見せ方をするM&A仲介会社もありますので、目標にしている価格で売却した場合、最終的な仲介手数料がいくらになるかも比較して選ぶことが大切です。

仲介手数料率を、理想的は売却額の5%以下、できれば10%位までに抑えることを考えたいです。

M&A仲介会社の会社規模と、仲介手数料率の関係

仲介手数料率(売却価格に占める仲介手数料の割合)は、各M&A仲介会社が設定する「最低仲介手数料」の影響を受けます。

例を挙げてみます。

大手M&A仲介会社は、例えば最低仲介手数料を2,000万円に設定しています。
もし、最終的な譲渡価格が3,000万円だった場合、仲介手数料率は66.6%を超えることになり、譲渡益は1,000万円です(株式取得原価は無視してます)。

対して、これがもし仲介手数料が5%&最低仲介手数料が200万円のM&A仲介会社だった場合、仲介手数料率は6.6%ということになり、譲渡益は2,800万円になります(株式取得原価は無視してます)。

ちょっと乱暴な区分になりますが、「M&A仲介会社は、最低仲介手数料に比例して、高い譲渡価格でも成約させる営業力と会社規模がある」と言うことができます。

逆に、最終的な売却価格によっては、最低仲介手数料の高いM&A仲介会社は選びづらいということになります。

最低仲介手数料の価格帯別に、それぞれの規模のM&A仲介会社の特徴を紹介します。

大手M&A仲介会社の特徴

最低仲介手数料:1000万円超〜2,000万円、2,500万円も

  • 高い株式譲渡価格でも成約させる営業力がある
  • 社員数が多くマンパワーがある、規模がでかい、調整力も高い
  • 買い手企業担当と売り手企業担当がそれぞれ担当者がつく会社も
  • M&A業界の自主ルールを策定するくらい、業界育成に努めている
  • 資本力や歴史や実績など信用力があり、その点の心配がない
  • アタックリストに上場会社の名前もよく並ぶ(賑やかしの可能性もある)
  • 手数料はとにかく高いし割引ナシ(着手金、最低仲介手数料、レーマン方式)
  • 案件化した後は、進行がじっくり着実
  • 売り手企業からの直接依頼も集まりやすく、案件も常に多い(予算をかけている)

中堅M&A仲介会社の特徴

最低仲介手数料:500万円〜1000万円超

  • 案件成約数と、スタッフ人数が極端に乖離しないので案件ごと注力してもらいやすい
  • レスポンスや成約までのスピードを期待できる
  • 役員クラスが担当者に付いてくれることもある
  • 「最低仲介手数料1,000万円」となっていても500万円で受けてくれることもある(コレ内緒ね
  • 大手と比べると実績も知名度も落ちる(例えば年間成約数で10%〜15%くらい?)
  • 超高額なM&A案件の仲介実績もあるが全体からすると少ない
  • 売り手企業の集客に多く人的リソースを割いている
  • 良い意味でも悪い意味でも大手や中堅M&A仲介会社から独立した人が代表

小規模M&A仲介会社の特徴

最低仲介手数料:0円〜200万円

  • 低い仲介手数料
  • スタッフ数が少ない(社長1人で運営しているような会社もある)
  • 会社自体が新しいことが多い、ネットでも情報少ない、実績はこれから
  • 集客やマッチングはネット主体
  • 全面的に売り手都合にはなりにくい
  • 売り手企業へのケアがまちまち
  • 担当者の実力によって、進行の質がまちまち
  • 低い株価の案件向き 高額なM&A案件にはむかない
  • 良い意味でも悪い意味でも大手や中堅M&A仲介会社から独立した人が代表

会社規模ではない「勢い」という判断材料

会社規模の区分のほかに、どの規模であっても、業績が伸びているM&A仲介会社は、案件をまとめるパワーがあります。

おおよそ業績が伸びているM&A仲介会社は、社員数も増えている傾向にあり、それだけ営業にマンパワーをかけれていたり、事務処理能力を高めている傾向にあります

逆に、少額のM&A案件も増えていることから、ネットのマッチングだけで、担当者を付けずに会社売却をするカジュアルなM&A仲介サービスも勢いがあります。

また、医療系、広告系、建築系など専門業種を謳うM&A仲介会社も登場しており、特化することで成約までのスピードを早めるなど差別化も進んでいます。

結局、M&A仲介会社はどこを選ぶのがいいの?

冒頭の迷いは、実際にM&Aの検討が始まると気になるポイントだと思います。

なので、自分が選べる条件や、許容しないといけない条件など事前把握してチャレンジできると、きっと長いM&Aもずっと乗り切りやすくなるはずです!

なお、私のオススメは、

①最低仲介手数料の許せる範囲でより高い株式譲渡を狙える大手or中堅のうち1社
②最低仲介手数料の低めの中堅or小規模の1社

①+②の合計2社への依頼がベストではないかと思います。
理由は、高値の株式譲渡を狙った上で、確実性も担保しつつ、同時に手残りの多い成約になる可能性があるからです!

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尚、個々のM&A仲介会社さんによっては「ウチは違う!」と思われるかもしれませんが、おおまかな特徴ということでどうぞご容赦ください。

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