事業継承目的のM&Aが増加中!このビッグウェーブに乗ろう

父さん、逝く前に実家の会社の事、ちゃんとしていってくれよ。

遺影の前でこんな台詞は言いたくなかった。と今でも思います。

目次

事業継承は実は難しいタスクなのか!?

去年、経営者だった父親が亡くなり会社は半ば無理やり経営素人の母親が引き継いだのですが、経営経験やノウハウが足りなかった事と時代の流れもあり業績は下坂でした。

時すでに遅しとなるまで父が事業継承に手をつけなかったのは、実は事業継承が難しいタスクで手をつけられなかったからではないのかと思います。

父と同様に、世の中の経営者にとっても事業継承が意外と難しいタスクだとしたら、今回の記事のテーマでもある「M&Aによる事業継承」は、経営者を事業継承の難しさから解放する手段になるのではないかと思っています。

先輩経営者も後継者不足からM&Aを考え始めた

お世話になっている先輩経営者に時間をもらった時に、後継者候補だった人が退職して困っているという話を聞きました。

10年弱かけて部署を作り新人から育成した後継者候補の退職は、先輩にとっても大分こたえたようで、社内人材への引き継ぎは諦めているようでした。

今はM&Aを真剣に検討されているということで、M&A経験者として先輩の気持ちに叶うM&Aができるように応援していくつもりですが、先輩のように事業継承がスムーズに進まないケースは少なくないんだろうなという印象を受けました。

会社のオーナーになり経営するということは、責任の大きさや仕事の質が全く違くて、後継者候補が経営者になれないミスマッチを引き起こしている様にも思います。

事業継承をしたい会社が直面する課題

2年前にM&Aを担当してくれたM&A仲介会社の担当者さんに教えてもらった話なのですが、事業継承目的でM&Aする企業が増えていることが、M&A市場全体が伸びている理由とのことです。

話を聞いた時は自分のM&Aの真っ最中だったので、、、ふぇ〜、そうなんですね〜。くらいに聞き流していたのですが、

よくよく聞いてみると興味深い話で、彼が言うには、事業継承目的でM&Aを検討する会社はどこも同じ様な課題を抱えていて、

この課題は自社で事業継承を成立させきれない会社が、M&Aを使って事業継承という課題を解決しようと考える潜在的な理由でもあるらしいです。

事業継承目的でM&Aを考える会社が抱える特徴的な課題

  1. 会社を引き継ぐ後継者がいない。
    (見つからない・育てられないなど)
  2. 元経営陣がいないと経営できない。
    (ワンマン経営から脱却できない)
  3. 事業継承の最適な相談者がいない。
    (コンサルタントが見つからない)
  4. 売上が下がっている。
    (経営者の高齢化、事業の衰退化)

中小企業が事業継承を自力で行うことの難易度が理解できるのと同時に、M&Aが上記の1〜4の課題を解決して事業継承の難易度を下げているのだと思います。

実は、M&Aが事業継承の課題を解決している

  1. 会社を引き継ぐ後継者がいない。
    →買い手企業には優秀な経営者がいる。
  2. 元経営陣がいないと経営できない。
    →買い手企業には既存事業を回している経営陣がいる。
  3. 事業継承の最適な相談者がいない。
    →経験豊富なM&A仲介会社が親身になって相談にのる。
  4. 売上が下がっている。
    →買い手企業がM&Aによるシナジーや新規事業により売上利益の増加を考える。

これらも事業継承目的のM&Aが増えている理由なのだと思います。

事業継承目的のM&Aはまだまだ増える余地がある

M&A仲介の人たちのポジショントーク(本音)としても、M&A仲介の業界内の競争より、取りこぼし続けている案件をもっと手がけられるようになりたいと思っているようでした。

  • 日本企業の数が360万社
  • 事業継承の喫緊の課題があるのが120万社
  • M&A仲介の業界1位の会社の年間取扱件数が2,000件

ぜ、全然たりない。。。

同業他社が増えても事業継承目的のM&Aのサポートが、圧倒的に足りていない状況です。

需要と供給のバランスを見ても、まだまだ事業継承目的のM&Aは増えそうですね。

廃業なんてもったいない!事業継承目的のM&Aを試みる価値はある!

先輩経営者と同じ様に、事業継承を諦めようとしている企業がたくさんあると思うのですが、その企業の選択肢に廃業があります。

いっそ廃業しようかと思う気持ちも分からなくないですが、フツフツと「モッタイナイヨ!」と強く思ってしまいます!

残った経営資産を引き取って経営したい人や会社は思っている以上にたくさんあるので、ぜひ視野を広げてM&Aを使った事業継承も考えることをおすすめします。

もしかしたら、個人担保の負債があることを気にされている方もいるかもしれませんが、そのような負債も譲渡時の条件に加えることは一般的とのことです。

色々な個別ケースがあるとは思いますが、社内人材や身内への事業継承や、廃業の選択肢に、M&Aを活用した事業継承も試してみる価値は多いにあると思います。

参考文献
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p231108.html

帝国データバンク:全国「後継者不在率」動向調査(2023年)
( 免責事項 )
当記事のコンテンツ・情報について、正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等は、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
良い記事だと思ったら、保存しておいてください
目次