ちょっと大げさな表現かもしれませんが、「私が人生で何に後悔しているか」と聞かれたら、若い内に会社売却について知識がなかったことを挙げると思います。
会社売却にかけた1年間の経験は、それほど私の経営者としての実力を大きく伸ばしてくれました。
どんな点で、経営者にとって良い経験ができたのか。
究極的にどういう会社が良い会社か、何が足りなかったかを実地で理解
「会社売却する」と決めたからこそ、売却額となる株価算定や、買い手企業からの引き合いや様々なチェックを得ているわけですが、これらのフィードバックがいちいちリアルなのです。
会社は業界では高い評価を受けていましたが、そんなポジティブな評価をいただくのでもなく、あるいは同業他社から妬まれた評価をされるのでもありませんでした。
第一線を張る企業の経営層から、銀行から、私の子どもに等しい会社にとんでもなく生の反応が返ってきます。
品定めする観点で、ただただどこまでもドライな評価。
会社の何に価値があり、何を評価しないか。
買収したその先に、どこまでの伸びしろがあると思っているのか。
銀行は掛け値なしで、最大いくらの融資まで出せると考えているのか。
M&Aの仲介会社さんや買い手企業の方は対等に関わっていますので、私にアドバイスするつもりは一切なかったと思いますが、こんな貴重なフィードバックを受ける機会は、後にも先にも二度とないと思いました。
一つ一つが億のお金に直結する究極の答え合わせ
私はすべてのフィードバックを大興奮で聞いていました。
「まじやべえ、こんな上質なヒント、全部やったら会社伸びまくりじゃん!」
「コレえええええ!やっておけばよかったぁぁー!(T_T)」とか、
「ほどほどにしてたけど、え?この項目、こんなに高い評価されてんの???」とか、
「ここもうちょい伸ばすだけで売却額もっと上を狙えたのかっ!」とか、
私は審査基準がおおよそしか分からないまま試験問題に取り組んでいたのだと気づかされました。
「ちょまっ、整え直してくるから売るの止めようかな?」と本気で考えたくらい笑
フィードバックの一つ一つが億のお金に直結する究極の答え合わせ♪ (人´∀`).☆.。.:*・゚
私は、M&Aの経験を通して本当の意味で市場評価の答え合わせをすることができたのです。
会社売却のノウハウが貯まる
当然ですが、会社売却の経験をしたことで「会社売却をするためのノウハウ」も貯まりました。
より高い市場評価をされる会社を作り、成長させる経営面だけでなく、
- デューデリジェンスを正確に処理するノウハウとか、
- 「ここはもっと評価されて良いですよねー」をちょっぴり押し返すポイントの見極めとか、
- 買い手企業の責任者の心理や迷いにはどういうものがあるのかとか、
- M&A仲介会社さんはどこまで味方や協力者で、どの部分の援護射撃が弱いのかとか、
を商談や手続きの現場に立って、学ぶことができました。
これらのノウハウを得た結果、他者からの評価だけでなく、「この会社には、このように市場価値があります」と企業価値をより高く(正しく)理解して、交渉や伝え方を深く理解しました。
M&Aは、自分史上最大の商談になったりするので、最初どうしても空気に呑まれちゃうんですよね。くやしい笑
究極の「強くてニューゲーム」ができる
経験前は遠く見えた会社売却でしたが、M&Aをクリアしてみると、そのノウハウは知識や経験値、テクニックや資金力の塊でした。
「会社を創業する前にこの知識があったらもっと楽できたのになあ……(´;ω;`)ブワッ」
最短ルートで会社を成長させていたでしょうし、最適に必要十分に社内を整えていただろうと思います。
そしてふと気付いたのです。「これって”強くてニューゲーム”だ!!」と。
バイオハザードやメタルギアソリッドの2周目プレイのアレです笑
「俺TUEEEE」と叫びながらタイムアタックしたアレです笑
私はこの日、1周目プレイから2周目プレイに移行したくらい、経営の実力が身についていたことを知ったのでした。