「御社はうちがよく仲介するレンジより、規模が大きいんですよね」
これをM&A仲介会社さんに言われた時は嬉しさとともに
「それじゃあ、買い手企業見つかりにくいんじゃないの?」と不安になりました。
会社の売却に重要な指標の一つEBITDA
M&A市場において、会社の売却を検討する際に重要な指標の一つがEBITDAです。
EBITDAは、会社の本業の収益力を表す数字で、端的に言えば、「本業で稼ぐ力」のことです。
計算式はいくつかありますが、概ね下記の2パターンが多いかと思います。
EBITDA=税引前純利益+ 減価償却費+ 支払利息 + 特別損益
EBITDA=営業利益 + 減価償却費
ここでは、M&A仲介会社が取り扱いやすいEBIDA額と投資ファンドが買収しやすいEBIDA額について書いてみます。
M&A仲介会社が取り扱いやすい売り手企業の規模
M&A仲介会社の担当者さんから直接聞いた話です。
担当者さん「M&A仲介会社が仲介しやすい会社の規模は、EBITDA3,000〜5,000万円前後です」
この規模の企業は、中小企業の中でも比較的規模が小さく、事業の複雑さも少ないことが特徴です。そのため、M&A仲介会社は、このような企業の売却案件を比較的短期間で進めることができ、買い手企業のリストも多く、効率的に業務を行うことができるのでしょう。
投資ファンドが買収しやすい売り手企業の規模
一方聞いた話では、投資ファンドはより大きな規模の企業買収を得意としているとのことです。
彼らは、高い収益力を持つ企業を探し、買収後にその企業の価値を高めることで利益を得ています。「投資ファンドとして買収しやすい会社の規模は、EBITDAが3〜5億円以上」らしいです。
この規模の企業は、すでに安定した収益力を持ち、事業の拡大や効率化の余地が残されている場合が多く、投資ファンドは、自らの経営ノウハウを活用し、買収後の企業価値の向上を図ることで、高いリターンを得ることを考えているので、EBITDAもその規模感になるのでしょう。
自社のEBITDAを把握し、買い手を探していこう
以上、EBITDAは、M&A市場において売り手企業の価値を測る重要な指標です。
M&A仲介会社と投資ファンドでは、取り扱いやすい、あるいは買収しやすい売り手企業の規模が異なりますので、売り手企業は、自社のEBITDAを把握し、どのような買い手を探すべきかを検討していきましょう!