株式譲渡の達成に向けて、M&A仲介会社に仲介してもらう売り手企業が多いと思います。
ということは適切な買い手とのマッチングに向けて、M&A仲介会社との連携が円滑であること達成の精度に関わってきます。
M&A仲介会社から見た仲介しやすい売り手企業の特徴について書いていきます。
売り手企業によって売却意思の確定度合いが違う
「合理的には売却するべきだと思っているが、我が子のような思い入れがあるので、感情的にはまだまだ手放したくない」
土壇場でこんな心境になる売り手企業もあるようです。
僕の場合は売却前提で会社を創業していたのでここにブレはありませんでしたが、M&A仲介会社とやりとりをしている売り手企業にはいろいろな売却意思の温度差があります。
明確な売却意思がある売り手企業は仲介しやすい
「売却して引退予定だった売り手企業オーナー社長が、最後の最後で契約締結に気持ち的な迷いが出しまい契約が1年伸びました。その1年間はオーナー社長の気持ちに寄り添うというのが仕事でした。」
僕のM&A仲介会社の担当者さんがこんな事例を話してくれました。
そのケースでは買い手が待ってくれたようなので、成立したようですが、M&A仲介会社からすると、売り手企業の売却意思が曖昧な状態の場合、M&A交渉が長期化したり、途中で売却を撤回されたりと業務コストとリスクが高いため、仲介しにくい会社となるでしょう。
つまりM&A仲介会社にとって仲介しやすい重要なことの1つは明確な売却意思があることです。
最初は情報収集で、売却意思が確定していなくても問題ない
最初から売却意思が明確というのは仲介会社にとってやりやすい会社になりますが、
M&A仲介会社とやりとりしながら、売却を検討する売り手企業も多いと思います。
「まだ、確定ではないが、検討するためにもM&A仲介会社とも打ち合わせがしたい」
というのは全く問題なく、むしろ検討するのであれば積極的に情報収集すべきだと思います。
ただし、検討材料となる情報が集まった段階で売却意思の有無を明確に決断をした会社はM&A仲介会社にとって仲介しやすい会社となるでしょう。
仲介会社に協力的な企業
M&A仲介会社に協力的である売り手企業も、仲介しやすい会社です。
M&Aのプロセスでは、企業概要書(IM)作成、トップ面談、デューデリジェンス、契約交渉など、多くの手続きが発生します。これらの手続きを円滑に進めるには、売り手企業の協力が不可欠です。
売り手企業が必要な情報を迅速に仲介会社提供することで、M&Aのプロセスのスピードアップが図れます。また買い手企業との交渉に柔軟に対応することで、取引条件の合意もスムーズに進みます。
逆にレスポンスや書類提出が遅い場合や、買い手企業との交渉に柔軟でない場合は仲介しにくい会社となるでしょう。
これはM&Aに限らず、代理店が間に入る形で顧客に自社サービスや商品を販売する場合でも同様ですよね。
自社の企業価値を最大化しつつ仲介会社との連携を強化しよう!
売却しやすい会社というのは、直近の決算情報の数字面や、成長ポテンシャル、ビジネスモデル等ももちろん大切です。
しかし、売り手企業自身の強みだけでなく、それを活かすために、実際の現場で買い手を繋いでくれるM&A仲介会社との連携を強めることもM&Aプロセスにおいて非常に重要です。
M&A仲介会社にやりやすいと思ってもらい、売却しやすい状態に持っていきましょう!
【参考カテゴリー】M&Aで売却しやすい会社はどんな会社か