「この件、マジで誰かくわしい人に相談できないかなぁ…」
僕が初めてM&Aに挑戦していたとき、何度かこのように思うことがありました。
当時、僕のまわりにはM&Aにくわしい人や、実際に会社売却を経験したという人は一人もいませんでした。
M&A仲介会社の担当者さんもいたわけですが、やはり利害関係のある相手なので、どうしても事実確認や裏取りしたいことがあっても、それができる方法がありませんでした。
インターネットで収集できる情報では足りない
インターネットで公開されていたM&Aの情報は、用語の意味や解説が中心で、僕の知りたい課題を解決するものではありませんでした。
知りたいことに関連する情報もあるのですが、それらを発信しているサイトは基本的にはM&A仲介会社の運営でM&A仲介への誘導となっていて、「情報はあって知識は得られるものの、欲しい答えではない」と感じていました。
M&A仲介会社のアドバイスが正しいか確認する方法がなかった
当時のモヤモヤについて、その正体が何だったのか会社売却を経験した今ならわかります。
それは「自分に会社売却の知識がなくて、わかっていないことや、気づいていないことは質問自体ができない」「注意すべきポイントがわかっていない中で、M&Aで発生する未知のリスクに備えなければならない」という2つです。これらを漠然と怖いと感じていたわけです。
M&A仲介会社の担当者は真摯で丁寧だった、でも…
これまで担当してくれたM&A仲介会社の担当者さんはどの方も一生懸命で、真摯に、丁寧に対応してくれました。
しかし彼らの仕事は、M&Aを無事成立させることであって、僕に手取り足取りM&Aを教えることではありません。
M&Aのプロセスは広範囲に及ぶため、M&Aに必要な点や、重要な点については手厚く説明してくれますが、「転ばぬ先の杖」のような彼らの仕事が増えてしまう範囲のリスクヘッジや対策まで、カバーしてくれるわけではありませんでした。
そのため、果たしてこれで正解なのか?不足がないのか?について僕には確認する方法がありませんでした。
売り手企業の不安はプロたちのフォローでも残ってしまう
僕の経験からはっきり言えるのは、M&Aで会社売却するオーナー経営者にとって最も適切なアドバイスができるのは「実際に会社売却を達成した人」です。
なぜなら、M&Aの手続きやテクニカルの話は、M&A仲介会社や弁護士やFAなどプロの方々と進めるのがベストだと思いますが、
- M&Aプロセス中の心情や、決断するときの思考
- 実際の売り手企業側のオーナー経営者目線の経験
- M&A仲介会社とも利害があるために情報が出づらく、知りにくい範囲のこと
- M&A仲介会社の担当者さんの言っていることの言葉の真意
- M&Aには直接関係ないけど重要なこと(税金対策とか)
- M&A契約後のM&A仲介会社からはケアが少ない範囲 等々
これらの情報や判断材料が、プロの方からはほとんど得られないからです。
当時の僕はM&Aでこの安心がほしかった
会社売却を達成した人たちは当然、売り手企業の有利になるアドバイスができます。
自分とは利害関係がないので、成約優先のポジショントークにならずに、売り手企業にとって良いM&Aであれば良いと評価できて、イマイチなM&Aなら良くないとアドバイスをすることができます。
当時の僕は、この安心がほしかったのです。
余談ですが、会社売却をしてFI(経済的自立)した今、同じように会社売却を達成した人たちと話すと、
「うんうんうんうん!ほんそれ!わかるうううううう」
みたいな首がもげちゃうくらい、うなずくことが本当によくあります。僕はこの情報が当時ほしかった。
結論 会社売却の経験者のアドバイスは貴重 聞きに行こう
会社売却をした人はどんどん増えています。もし、身近に会社売却経験者の人がいたら積極的に話を聞きに行くことを強くお勧めします。
もちろん守秘義務の範囲があると思いますので、相談というよりも、その人の経験談を聞いて情報を集めるだけでも十分参考になるでしょう。
一人では情報が偏ってしまうかもしれないので、複数の人に相談できるとなお良いと思います。
相談する人がまわりにいない方は、株式譲渡日記のライターさん(会社売却の経験者)たちも相談を受けていますので、問い合わせしてもらえればと思います。