M&Aの会社売却において買い手企業からよくある質問

トップ面談などで買い手企業から必ずといって良いほど、聞かれる質問がありました。

そこで、今回は買い手企業からの質問あるあるを書いてみたいと思います。

目次

あるある①どうして株式譲渡するんですか?

はい、これは鉄板の質問ですね。買い手企業が強く感心をもつことの1つであり、事業概要書(IM)に譲渡理由が書いてあったとしても、直接聞きたい質問なのだと思います。

例えば、売上が伸びている会社を売却する場合、買い手企業からすれば「順調な会社なのに売却する」ということについて疑いや心配があるので、納得できる理由を直接聞きたいということもあると思います。

そのため、この質問によって、直接的にも遠回し的にも、潜在的なリスクや将来の課題、売り手企業経営者の人となりを把握しようと意図している思います。

あるある②会社に残ってくれますか?

これもよく聞かれた質問です。

現経営者がそのまま会社に残ってくれることは買い手企業としては安心でしょう。また、合わせて関与度合いや期間も相談されます。

関与の程度はどれくらいか?

  • 経営もマネジメントもおこなう(実務もおこなう)
  • 顧問で都度相談してもらう(実務はしない)
  • 経営会議のみ参加する(週1レベル)
  • 経営会議のみ参加する(月1レベル)

などのグラデーションになると思います。

どれくらいの期間残ってくれるか?

  • 3~6ヶ月 :基本的な引き継ぎが完了し、買い手企業が早期に独立して運営できる場合
  • 6~12ヶ月:事業運営の細部まで引き継ぎが必要な場合や、進行中のプロジェクトがある場合
  • 12ヶ月以上 : 大規模な事業や特殊なノウハウが必要な場合、長期的なサポートが求められる場合

など、引き継ぎの細かさ、ノウハウの特殊性、規模によって変わってきます。

買収後の引き継ぎの不安の解消をしたい意図の質問であり、売り手企業経営者の売却後の意向を事前に知りたいのだと思います。

あるある③経営リソースで足りないものはなんですか?

以前、[事業統合や資金投入で解決しうる経営課題を会社売却前に買い手企業に伝えた]に書きましたが、買い手企業候補がシナジー効果などを検討するための意図です。

具体的に買収を検討してくれているからこその質問だと思いますし、基本的にシナジーの話は未来に向けた前向きな内容になると思います。

あるある④次の経営者はどんな人が良いと思いますか?

こちらも以前、[株式譲渡後の新社長に必要な能力や経歴を整理して買い手企業に伝える]に書きましたが、買い手企業としては買収後に成長させるにあたって、次の経営者はどんな人が良いか、現経営者の意見も聞きたいためにしてくる質問だと思います。

ここまで質問してくるということは、買収後のことまでシミュレーションしているからこそでしょうから、かなり前向きに検討してくれている状況だと思います。

あるあるの質問には、質問の意図の想定と回答を準備しておく

仮に事業概要書(IM)に書いてあっても質問をしてくるのは、買い手企業として重要な部分であり、概要書の文言ではない回答のニュアンスも知りたいからだと思います。

度々きかれる上記の質問については、それぞれの買い手企業の質問の意図を想定しておき、買収の検討を促進するような回答を準備しておくようにしていました。

また、質問あるあるだからこそ、こちらもどんどん回答や説明がうまくなっていきました笑

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